日本は2040年になると、人口内における高齢者の数が最大になると予想されています。
その数はおよそ4000万人で、2040年には1億1000万人になると考えられている総人口の内、3割以上を占めます。
その高齢者を現役世代で支えることを考えた場合、ひとりの高齢者の負担を、1.5人の現役世代が背負う計算となります。
高齢者の数が多ければ、それだけ医療や介護の需要が高まり、社会保障費の額も増えていくでしょう。
それが2040年問題で、現役世代が高齢者世代を支えきれなくなったり、支えてもらえない高齢者が出てきたりする恐れがあります。
そんな2040年問題の中には、空洞化問題もあります。
日本では高度経済成長の時代から、都市部への人口移動が起こっています。
その人口移動は現代でも続いていて、すでに過疎化している地方はたくさんあります。
したがって、2040年には、高齢者の人口も地方より都市の方が多くなることが考えられるのです。
そうすると当然、介護の需要は都市の方が大きくなります。
より条件の良い介護士の仕事も、都市に集中するでしょう。
介護士がより良い条件で働きたいと考えるのは自然なので、2040年には地方ではなく都市で働くことを考える人も増えるはずです。
そのようなことになれば、地方で働く介護士の数が少なくなるという空洞化が起こります。
少ない人数の介護士で高齢者を支える形になり、ひとり当たりの負担が増える恐れがあります。
場合によっては、介護自体を受けられない高齢者が出るかもしれません。
それも、2040年問題の課題のひとつです。